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抄読会を開催しました。

11月2日(水)の院ゼミにて抄読会を開催致しました。 今回は博士課程1年の中村 恒穂 先生が担当されました。

(抄録)

背景:社会参加とIADLの関係を調べた集団に基本を置いたデータは少ない。この研究では、社会参加とコミュニティの高齢者のIADLとの関係を横断的に調べた。

方法:自己回答方式の質問票を奈良県の65歳以上の高齢者、23710名に郵送した(回収率は74.2%であった)。14956名の回答(男性6935名、女性8021名)からのデータを基本的ADLと無関係に分析した。社会グループへの参加数、そのタイプ、頻度を社会参加の指標とした。社会グループとは、ボランティアグループ、スポーツグループ、趣味のグループ、老人クラブ、ご近所の仲間、文化的グループを含むものとした。IADLはTokyo Metropolitan Institute of Gerontology Index of Competenceを用いて評価した。性による階層化したロジステック回帰モデルを用いた。

結果:一般的に交絡因子と思われるもの、人口統計、健康状態、生活習慣、ADL、うつ状態、認知機能、社会ネットワーク、社会支援、社会的役割、を調整した後で、様々な社会グループへの参加は、男女とも低いIADLと反比例し、社会グループの数が増加することと、低いIADLの割合がより低下することとは、有意な量的相関関係があることを示した(p<0.01)。参加の頻度と低いIADLの間には、有意な反比例する関係が女性の社会グループすべてにみられたが、男性のスポーツグループと老人クラブでは、その関係は限定的であった。

結論:我々の結果から、様々な社会グループに参加することは、地域住民の高齢者では、性にかかわらず、自律したIADLと関係があった。また、頻回に参加することがIADLに良い効果を与えることは、男性より女性に強いことが示された。

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