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抄読会を開催しました

10月12日(水)の院ゼミにて抄読会を開催致しました。 今回は博士課程1年の中村 恒穂 先生が担当されました。

(抄録)

 背景:この研究は、1993-2010の韓国の経済危機の間における、社会格差が平均余命と死亡率に与える影響について、韓国の40歳以上の成人について調べたものである。

 方法:韓国統計局から人口調査と国民死亡ファイルのデータを得て、平均余命と年齢特異的死亡率(Age specific death rates,(ASDR))について年齢、性、学歴による計算を1993、1995、2000,2005、2010の5年間で行った。平均余命と年齢特異的死亡率の学歴による絶対的、相対的な差を社会格差の指標とした。

 結果:男女ともに年齢40歳の平均余命で5度の測定期間(1993、1995、2000,2005、2010)中、明らかな教育による格差がみられた。その格差は、1993と2010の間では女性が男性と比べて著しく悪かった。教育による格差は、すべての5年間においてASDRでもみられたが、高齢者よりも40代、50代の労働年齢グループに顕著であった。韓国の勤労世代における男女のASDRの相対的な問題点は、時間の経過とともに実質的に悪化した。

 結論:長い時間の中で社会経済的立場と結びついた韓国の勤労世代における平均余命とASDRの社会的不均衡は、マクロ経済危機とネオリベラルの台頭によって生み出された社会格差の拡大と密接な関係がある。

 キーワード:社会的不均衡、平均余命、死亡率、経済危機、韓国の健康格差

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