抄読会を開催致しました
- katsunorikondo
- 2016年10月4日
- 読了時間: 2分
10月5日(水)の院ゼミにて抄読会を開催致しました。 今回は博士課程1年の中村 恒穂 先生が担当されました。
Yukinob Ichida. Social capital,income inequality and self-rated health in Chita peninsula,Japan
:a multilevel analysis of older people in 25 communities. Social science & medicine.2009,69,p.489-499.
(抄録)
人の健康に関するソーシャルキャピタルの効果は、研究者の関心を引いている。しかし、東アジアの国では、そのような効果の研究は西洋諸国に比べてあまり行われていない。それで、この研究は、日本の小さな地域におけるソーシャルキャピタルと健康の結びつきを調べることとソーシャルキャピタルが健康と収入格差の関係に影響を与えるかどうか調べることを目的とした。
調査の対象は、25のコミュニティから介護の必要のない65歳以上の34374名とした。我々は、17269の質問票を回収し(回答率 50.2%)、15225(回答率 44.3%)を用いて、主観的健康観、年齢、性の情報を得た。
主要な測定の結果は主観的健康観についてである(1=あまり良くない/よくない、0=とても良い/良い)。個人レベルの変数として年齢、性、等価所得、婚姻状況、学歴、住宅のタイプ、は構造的な効果を調整するために含めた。平均収入、ソーシャルキャピタル、ジニ係数はコミュニティレベルの変数として用いた。ソーシャルキャピタルの変数は、質問「一般的に、大部分の人は信頼できるといえますか?」に「はい」「時と場合によって」と答えたサンプル数の割合で計算した。
個人レベルの変数と地域レベルの等価所得を調整した時、高いソーシャルキャピタルと低下したジニ係数はマルチレベル分析によって、よい主観的健康観と有意な関係がみられた。ソーシャルキャピタルと主観的健康観はジニ係数で調整した後では、有意な関係はなかった。しかしながら、我々は、他のモデルで、マルチレベル分析を用いてジニ係数の増加と個人レベルの信用に関する質問に否定的な回答が統計上有意な関係があることを発見した。このことから、収入格差が大きい所に住んでいる人は信用のレベルが低い傾向を示し、ソーシャルキャピタルは収入格差と健康の間に影響を与えていることを示唆している。
この研究は、我々の知る限り、日本においてマルチレベル分析を用いてソーシャルキャピタルと健康の関係を調べた最初の研究であり、日本における相対的収入仮説を支持した最初の報告である。さらに、この研究で見られた、ジニ係数の増加と低い信頼の統計学的に有意な関係は、収入格差と健康の間に社会的結束と社会的道筋があることを支持する証拠を与えている。
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